『柴田トヨ』さんの詩集
2011年03月08日
普段書物に接することのない私ですが
柴田トヨさんの詩集 《 くじけないで 》
を目にした時は何とも言えない感動を得ました。
説明によると
「 この本は、著者が詩を書き始めた平成15年から平成22年2月
までの作品を集めた処女詩集です。
産経新聞「朝の詩(うた)」に掲載された35点と下野新聞に掲載
された3作品や未発表4作品を収録しました。」 とあります。
詩人「朝の詩」選者 新川和江さんはこの詩集で
「トヨさんのように生きて行こう の中で
この詩集は、もうすぐ百歳になろうとしている栃木県在住の
柴田トヨさんの処女作品集です。・・・(途中略)・・・
今もなお、みずみずしい感性をお持ちでいらっしゃるとは、
なんと素晴らしいことでしょう。専門の詩人の世界においても、
それはきわめて稀なことです。・・・(途中略)・・・」
この詩集の24ページの
『母 Ⅱ
母の後を
風車を かざしながら
追いかけて行く
風はやさしく
陽は暖かかった
振りむく母の笑顔に
安堵しながら
早く大人になって
孝行したい
そう思ったものだ
母の齢をとうに越して
今 私は
初夏の風に
吹かれている
若い母の声が聞こえる 』
この詩を読んでいて何故か、私が幼かった時(4歳?)
に云われた母の声が聞こえてきました。
「早く防空壕へ行きなさい」
空襲警報が鳴り響き姉や兄はいち早く防空壕に逃げ込んだ
だろうに私はおそらく母親にまつわりついていたのでしょう。
この防空壕は自宅前の道路を掘ったもので、県庁のそばに
ありました。逃げ込んだ後は入口に仁王立ちになっている人
の股の下から表の様子をうかがっていました。
その時、この人が県庁前の角で馬をつないでいる人を見て
「そんなところに馬をつないではだめだ」と大声で怒鳴っていました。
この詩集を読みながら様々な事がよみがえったり勇気づけられました。
Posted by しのラン
at 21:00
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