コーヒーのお相手は “悦ちゃん” 獅子文六著
しのランです。
母親を亡くした歌が上手な10歳の女の子とのんびり屋の父親が主役だ。
いっとき色々と深い事情(読めば分かる)があって父親と分かれ分かれ
になるが、そこは歌の上手な悦ちゃんのこと、歌によって大展開。
読んでいて悦ちゃんの心配ごとは尽きないが、作者の言い回しにふと笑ってしまう場面も。
文中に“小さな胡椒娘(パプリカ)”と言う曲名(歌詞なし)が出てくるが、作者はどんなイメージだったのか、今流行の≪パプリカ≫を聞いたらどう思うだろう、びっくりするのか。
“悦ちゃん”は1936年7月から1937年1月まで報知新聞に連載されたもの。
お金のこと以外は時代を感じさせないで読んでしまった。
第一刷発行 2015年12月10日
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